上腕骨上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)の原因と治療

上腕骨上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)とは

上腕骨上顆炎テニスやゴルフのスウィング、また野球の投球動作やそれに似た動作の繰り返し、肘の酷使によって起こるのが上腕骨上顆炎です。手を捻ったり、物を持って繰り返し振ったりする動作を行っていれば、テニスやゴルフなどのスポーツでなくとも起こり得ます。
なお、テニス肘は「上腕骨外側上顆炎」、ゴルフ肘は「上腕骨内側上顆炎」に分類されます。
一般的に治療では安静やストレッチなど保存的療法が採用されますが、症状が強く現れている場合には手術を行うこともあります。

モヤモヤ血管が疑われる症状

以下の症状が、3か月以上続く場合は当クリニックにご相談ください。

  • ある特定の動作(テニス・ゴルフ・野球その他スポーツ・家事)を行う際の肘の外側、内側の痛み
  • 肘の痛みにより満足にスポーツができない、再開を躊躇っている

上腕骨上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘・野球肘)への慢性疼痛カテーテル

治療

上腕骨上顆炎は、加齢によって腱が痛み、そこへ繰り返しの動作が加わり発症・進行するものとされていますが、はっきりとした原因は未だ分かっていません。
これまであまり注目されてこなかったモヤモヤ血管が検査により認められた場合には、慢性疼痛カテーテル治療による症状の改善が期待できます。

スポーツへの早期復帰が可能

早期復帰上腕骨上顆炎と診断された場合、一般的に、安静を言い渡されることも多いのが現状です。
慢性疼痛カテーテル治療の適応であれば、より積極的な治療が可能となります。治療の翌日から患部に負担をかけない運動に、平均して1か月後から患部を使った運動を再開していただけますので、アスリートの方にとっても、生涯スポーツを楽しむ方にとっても、筋力の低下、勘の鈍りを最小限に抑えながら、「続けられる」という喜びをサポートする治療と言えます。

野球肘の治療の経緯と患者様の体験談

野球肘の症例です。症例は10代の男の子です。野球強豪校に進学するも野球肘を患い満足に野球ができない日々を過ごされていました。
片道数時間をかけて鍼灸院に通院するも改善することはありませんでした。整形外科を受診しても手術などの治療法はなく、野球を止め安静にするしかないとの事でした。そして親御様が当院を調べ、まさにわらにもすがる思いで受診されました。
当院で施行したエコー検査で、腱などを詳細に観察し疼痛部に一致し異常な血管”モヤモヤ血管”を認めました。
そして慢性疼痛カテーテル治療を希望されたため後日施行しました。
親指の付け根から細長いカテーテルと言われる管を血管の中を通していきます。
初めに麻酔の針を刺すときは少し痛いですが基本的にはそれ以降痛みはないです。また局所麻酔で行いますので意識もあり会話しながら、患者様には少しでもリラックスして頂いた空間で施術していきます。図1は治療前の肘の血管造影の画像です。

図1

矢印に示すのが”モヤモヤ血管”です。このように文字通りモヤモヤして見えます。この”モヤモヤ血管”を特殊なお薬を使い塞栓(詰める)していきます。治療後の画像が図2になります。

図2

治療前に認めた”モヤモヤ血管”が消失しているのが分かるかと思います。
この施術によって肘の痛みは術後より徐々に改善し、1カ月後には半年間満足に投げる事が出来なかった事が嘘のように投げる事が出来るようになりました。
このように整形外科では根本的な治療がないなど言われた痛みでも”モヤモヤ血管”を詰める事によって改善する症例が少なからず存在します。
またこの治療法では手術と異なり極めて小さい穴のみで治療出来ます。そのため術後の安静が1時間程度ですみ、当日から普段と変わりなく日常生活が送れます。激しい運動に関しては各ケースによって異なりますが手術のように何か月も運動制限を設ける必要がなく1~数週間で運動が可能になります。野球肘やゴルフ肘・テニス肘などでお困りの際には是非ご相談にいらしてください。

 

テニス肘の治療の経緯と患者様の体験談

テニスを週2,3回嗜まれている患者様です。肘の痛みを覚え整形外科にて外側上顆炎と診断され、注射やマッサージなどを試されましたが改善なく大好きなテニスが出来ない日々を送っていらっしゃいました。当院にてエコー検査したところモヤモヤ血管を認め慢性疼痛カテーテル治療を施行しました。図1は治療前の血管造影画像です。

図1

モヤモヤ血管を確認しお薬にてこの血管を詰めました(塞栓)。詰めた後の画像が図2です。

図2

モヤモヤ血管がなくなっています。その他の血管も調べ、詰めていきます。所要時間は1時間弱です。1か月後には痛みもだいぶ改善しテニスも無事再開しておられました。
テニス肘であれば治療時間は30分~1時間程度です。使うカテーテルも最も小さいサイズのため治療による痛みも少なく安全に施行しております。また肘の治療であれば従来の手首からではなく親指の付け根から管を入れています(distal radial approach)。この手法は循環器内科の世界ではより侵襲を抑えるため数年前から広まっております。当クリニックでもこのような手法を積極的に用いて患者様の負担を出来る限り減らすよう努めて参ります。