四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の原因と治療

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)とは

肩関節周囲炎俗に「四十肩」や「五十肩」と言われ、肩の痛み、こり、また肩があがらないなどの症状が現れます。
動かしたときだけでなく、夜中に眠れないほど痛む方もいらっしゃいます。
肩関節を構成する骨、軟骨、靭帯、腱が加齢により炎症を起こすことにより、痛み、可動域の制限などが起こりますが、根本的原因についてはまだはっきりと分かっていません。
四十肩、五十肩は日常生活に支障をきたすほど症状が強く現れることが珍しくありありません。放置し悪化させると、肩関節拘縮、凍結肩と言われる状態となり、治療が難しくなります。

モヤモヤ血管が疑われる症状

以下の症状が、3か月以上続く場合は当クリニックにご相談ください。

  • 肩、肩周囲の痛み
  • 運動時、安静時、就寝中の痛み
  • 肩関節の可動域のせばまり(肩があがらない等)

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)への慢性疼痛カテーテル治療

一般的に、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、多くのケースにおいて、運動療法、痛み止めなどの保存的療法での対応となります。
そういった治療を受けても3か月以上の慢性疼痛が残る方、また対症療法ではなくより根本的な治療をご希望の方は、モヤモヤ血管の検査を受けられることをお勧めします。
慢性疼痛カテーテル治療により、直後からの良好な結果(痛み・こりの軽減・可動域の回復)が得られることもあります。
「眠れないほどの痛み」、「頭の高さの物に手が届かない」など、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れている場合には、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を取り戻すことにもつながります。

いつの間にか痛みが消えたかな、と思っても

肩関節周囲炎は、急性期から慢性期に入る頃に痛みが軽減する傾向にあります。しかし一方で可動域は回復しておらず、つまり可動域内で動かしていることにより「治ったかな」と感じる時期でもあります。
ただ、ある調査によると、半数の方に7年後にも痛み・可動制限が残っており、そういったことを避けるためにも、より積極的な、根本的な治療が必要と言われています。

五十肩の治療の経緯と患者様の体験談

ご紹介する症例は60歳代女性の方です。
1年以上前から左肩の痛みを自覚。その後”腕が上がらない着替えが困難痛みのため目が覚め、満足に眠れないなどの症状が出てきて、近医整形外科を受診。
肩関節周囲炎と診断されリハビリ、またペインクリニックにてブロック注射など受けるも著明な改善なく当院を受診されました。すぐエコー検査で肩を観察したところ異常な小さな血管であるモヤモヤ血管を認めたため慢性疼痛カテーテル治療を試行しました。

治療は手首または親指の付け根から小さな管を挿入します。
そしてこの管からカテーテルと言われる細長い管を血管の中を通していきます。そして肩を栄養する血管を選択し造影剤と言われる液体を流すことによって血管が浮かび上がります。図1が治療前の肩の血管です。

図1

御覧のようにモヤモヤ血管を認めます(⇒)。続いて特殊な薬を流しこのモヤモヤ血管を詰めます。図2が詰めた後の画像になります。

図2

治療前に見られたモヤモヤ血管が消失しているのが分かるかと思います。
このようにして肩にあるモヤモヤ血管をすべて詰めていきます。所要時間は約1時間程度です。症例にもよりますがこの症例の方は治療直後より痛みが劇的に改善しておりました。
また上がらなかった方が治療直後より上がるようになりました。これら治療効果は個人差があります。治療直後は特に変わりなかった方が1か月ほどをかけて改善するケースもあります。この症例では治療直後より改善を示し、その後も経時的に改善し今ではほぼ痛みもなくなり夜もよく眠れているとの事です。

肩関節周囲炎(五十肩)は決して珍しい病気ではありません。軽い人では1か月程度に自然に改善する例もあります。しかし重症例になると痛みや運動障害のため日常生活に支障(更衣困難など)が出たり、痛みのため質のいい眠りが損なわれたりもします。そのような方々は是非相談にいらして下さい。